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保険営業に役立つ小ネタ集

年金⑥「ねんきん定期便」見てますか?

これまで④⑤で老齢年金(基礎年金・厚生年金)の年金額計算方法をお伝えしてきました。

できるだけわかりやすく書いたつもりですが、それでも面倒くさいですよね。

そう、自分で面倒くさい計算しなくても、ちゃんと計算して教えてくれている物があるんです! それがねんきん定期便です。

今日は「ねんきん定期便」の見方を中心にお話ししていきますね。

 

ちょっとその前に…、似たような名前でねんきん特別便というのがあったの覚えていますか?

もう20年以上前のことですが、平成9年に私たちは基礎年金番号というものを持ちました。昭和61年の年金大改正以降、一人が一つの番号を持っていれば、厚生年金時代・国民年金時代等、いろんな履歴があっても、その番号で管理していけますよね。

そのための基礎年金番号なのですが、やってみたらあら大変、なんと5,000万件も紐つかない履歴が見つかってしまったんです。

原因の多くは、昭和61年を挟んで結婚・離婚等で名字が変わっていた場合に、同一人物だという紐つけがなされずに浮いてしまったり、勤め先が変わったときに別人として出来上がってしまったためのようです。

この問題を解消するために実施されたのが「ねんきん特別便」です。“あなたの記録はこうなってますが正しいですか?“という主旨の郵便が送られてきて、間違いがあれば返信したというものです。

数年をかけて、ほぼ解決したのですが、せっかくここまでの仕組みができたのだから、今後も定期的に郵便で伝えていこうという主旨で継続されているのが「ねんきん定期便」です。

今は、毎年誕生月ハガキ形式で送られてきていますね。

そして「35歳・45歳・59歳」という“節目の年”には、分厚い封筒形式で送られてきます。

 

では、「ねんきん定期便」には何が書かれているのか。

①あなたの「加入履歴」がわかります。

  ⇒1年間でどれだけ保険料を積み重ねたのか、累計で何カ月になったのか。

  ⇒もし、履歴に疑問があったら問い合わせましょう。

②あなたの「年金額(予測)」がわかります。

  ⇒50歳未満の方には「これまでの履歴で、これだけの年金」という金額。

  ⇒50歳以上の方には「今の給与がこのまま続いたら、これだけの年金」という金額

…大きくはこの2点です。

現物(ハガキ形式)をペリッと剥がすとこんな感じです。

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50歳未満の方、特に若年の方にとっては、まだ掛けた期間が短いわけですから、①に書かれている金額も「これだけ?」と言いたくなる金額にしかなりません。まあ、ここはこれから増えていくのをお楽しみにしましょう。

以前書きました、60歳から64歳の間の「特別支給の老齢厚生年金」がある方には、②③のように2段階で記載されます。まず〇歳から④の年金額、そして65歳になると⑤の年金額…、のようにですね。

 

昔は、自分の年金額を試算しようと思ったら、年金手帳をもって年金事務所まで行かなければならなかったというのに、今では黙っていても毎年送ってきてくれるのですから、これは本当にありがたい物だと思います。

えっ? そんなの見たことない?

とおっしゃる方、ほとんどは実際には送られてきていても、ハガキですから開いて見ることなく捨ててしまっている方です。年に1度の送付ですから、次回はしっかりと見てくださいね。

そして、もし本当に送られてきていないとしたら、それは年金機構で把握している住所と相違が生じているということだと思いますので、この場合は市役所や勤め先に問い合わせてみてください。

 

では、次回は「2千万円問題」とは何なのか…、ここをお話ししていきましょう。