<相続⑭>「秘密証書遺言」とは
遺言について3回目、今日は「秘密証書遺言」です。
前回書きました通り、「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」が“右と左”なら、「秘密証書遺言」はその“中央”に位置するとも言えるでしょうか。
この「秘密証書遺言」、手順はこのようにです…。
・遺言者は、自ら作成した遺言に署名・捺印する
=自筆証書遺言と異なり、手書きでなくPC等で作成したものでもOKです。
・遺言者は、作成した遺言を封じ、遺言書に用いた印と同じ印鑑で「封印」する
・遺言者は、証人(2人)と公証人に、上記の遺言が自身の遺言であることを申述する
・公証人は、提出の日付および遺言者の申述を封紙記載し、署名・捺印する
・証人は、署名・捺印する
・遺言者は、遺言を持ち帰り保管する
…こんな感じ。
前回の「公正証書遺言」のときと同様に「証人」が二人必要であり、証人になれる人という定義も同じです。ここで手間がかかることは公正証書遺言と同程度ですね。
違いは、
★既に封した物であり、公証人および証人は、その“中身”のチェックはしない
★費用は11,000円と、公正証書遺言より低額
★遺言は、公証人役場ではなく、遺言者が保管する
…という点です。
なので、自筆証書遺言のときと同様に、遺言者が亡くなられた後に「検認」を受けることが必要になります。
これで遺言の三種「自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言」をご紹介しましたが、それぞれの手順・メリット・デメリットをまとめたのが以下の図です。
実際にどの方法が使われているかというと、①公正証書遺言⇒②自筆証書遺言⇒③秘密証書遺言という順です。
「手間も費用もそれなりに必要だが、遺言を残すとなったら確実に…」ということでしょうね。
では、次回は遺言に関しての“まとめ”をお話ししましょう。