<相続⑬>「公正証書遺言」とは
ん~、こうやって「相続」にいて書いている最中に、「新型コロナウイルス、東京都の新規感染者数224人!」なんてビックリするニュースが報じられました。
ようやく日常を取り戻しつつある状況だったというのに、これではまたまた一番厳しかったときに戻ってしまいますよ。
まだ東京および関東圏だけの印象がありますが、ウイルス持って飛行機や新幹線で日本中出かけている人がいる限り、1~2週間後には全国でも再度増え始めるでしょうね。
夏休みの旅行、お盆休みの帰省、Go-toキャンペーンを実行するためには、今からの1カ月間、もう一度真剣に日本中で“封じ込め行動”が必要ですね!
さて、今日は「公正証書遺言」についてです。
前回の「自筆証書遺言」は①費用かからず・②簡単に、遺志を残していけるものでしたが、逆に③紛失・偽造変造・無効という心配がありましたね。
「公正証書遺言」は180度反対に、①費用かかる・②手間かかる・③でも確実、というものになります。
現実に、遺言の件数では、「自筆証書遺言=約2万件弱(検認数)」に対し、「公正証書遺言=約11万件」というように、“残すとなったら公正証書遺言”となっているようです。
この「公正証書遺言」、手順はこうです。
・遺言者は、証人(後述)2人とともに公証人役場に行く
・遺言者は、公証人に対し遺言内容を口頭で伝える(実際には事前に書面にして提出するケースが多い)
・公証人は遺言内容を筆記し、遺言者・証人に読み聞かせる(もしくは閲覧する)
・遺言者、証人は、内容を承認し、各自が署名・捺印する
・公証人は、正当な方法に則って作成された遺言である旨を付記して署名・捺印する
ここで「証人」が登場しました。
証人は最初から最後まで同席し、内容も知り得たうえで承認・署名・捺印をしなければなりません。
ちなみに、“証人になれない人”が民法で定義されており、
※未成年者
※推定相続人および受遺者ならびにこれらの配偶者および直系血族
※公証人の配偶者、四親等以内の親族、書記および使用人
…はダメとなっています。
ですから、「成人で、信頼のおける、他人の知人」ということになりますね。
なお、費用については、公証人役場に対する「手数料」という形で必要になり、金額は遺産の総額によって異なります。
ざっくり言うと「数万円」というところでしょうか。
ただし、“事前に弁護士さんにお願いして遺言を作成して…”という場合には、別途弁護士さんに10万円~20万円が必要です。
この「公正証書遺言」、ご覧のように手間も費用もかかりますが、その分…、
★原本が公証人役場で保管されるので、「紛失」や「偽造変造」の心配がない
★後に「無効」になる心配がない
★亡くなった後の「検認」は不要
…というメリットがあります。
では、次回は「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の中間に位置する「秘密証書遺言」についてお話ししますね。