医療⑨「健康保険料高いな~」って思います?
今日は、健康保険の「保険料」を見ていきましょう。
健康保険の保険料は、「国民健康保険」「健康保険」で異なるのはもちろんですが、都道府県・市町村によっても異なりますので、簡単に「○○%」というように説明することはできません。
これは、地域によって医療の充実度は異なり、さらに予防への取り組みも均一ではありませんので、結果として“1人当たりの給付”実績には地域格差が生じています。
この差をそのままにして全国で均一な保険料を設定することは“不公平感”を高めることになってしまいますね。
このために、健康保険は都道府県によって、国民健康保険は市町村によって異なる保険料が設定されています。
健康保険の保険料は「標準報酬月額×料率」で計算されます。実際の報酬月額を1級~50級の等級に区分して標準報酬月額が決まるのですが、ざっくりと“月の給与×〇%”と考えておけばいいでしょう。
ちなみにこの料率、協会健保では、最も低い保険料率なのが新潟県で9.63%、最も高いのが佐賀県で10.75%と、1%以上の差があるんですよ。
国としては平均の目安として「10%」を考えているのですが、この10%というレベルを、皆さんはどう考えますか?
“もう何年も病院なんて行ってないし…”という方にとっては“収入の1割”というのは高いな~って思われるでしょうね。
でも、財政状況を国全体でみていくと
…丸めた数字ですが、大まかにこんな感じでしょうか。
“保険料高いな~”って思った皆さん、いかがです? 保険料以外にも、国・地方自治体で約40%の負担があってこそ成り立っているということをご理解くださいね。
そして、協会健保の公開資料にこんな内容があります。
★直近の15年を振り返ると、保険料率(約10%)は変わっていないが、1人当たりの給付は約1.4倍に増加している。
★現在はこの保険料率でも準備金で成り立っているが、このままの料率では2021年以降は準備金は減少し、2029年には法定準備金ギリギリになる。
…と。
国民皆保険という素晴らしい日本の健康保険制度を維持していくためには、『保険料率を引き上げる』・『医療費の患者負担割合を引き上げる』というような方向にならざるを得ないでしょうね。
そんな将来を考えると、いざ病気となったときに家計を支えてくれる私的医療保険の準備は、今以上に必要になっていくことが想像されますね。