老後③私の年金「いつから」もらえるの?
では、今日から「老齢年金」の仕組み・内容についてお話ししていきます。
まず、これは皆さんご存知のことと思いますが、私たちの公的年金制度は「2階建て」であるということです。
1階部分=基礎年金(国民年金)、2階部分=厚生年金ですね。
自営業・農家等の皆さんは国民年金保険料を納めて、将来「老齢基礎年金を受ける」、サラリーマンの皆さんは厚生年金保険料を納めて、将来「老齢基礎年金と老齢厚生年金を受ける」という姿が基本です。
でも、脱サラして起業した方、結婚して専業主婦になった方、そしてまた会社勤めに出て厚生年金被保険者になった方…、皆さんの生涯ではお一人お一人状況は違ってきますね。公的年金制度では、この一人一人の履歴をすべて把握し、積み木を重ねるようにして「あなたの年金はこうなります」というのを決めていきます。
これだけなら“なるほどね”で済むことなのですが、それを複雑にしているのが「特別支給」の年金です。
もう30年以上前のことですから若い皆さんには意識ないかもしれませんが、「昭和61年の大改正」を覚えていらっしゃいますでしょうか。
この改正では…、
①国民年金を基礎年金とし、自営業者もサラリーマンも共通の基礎部分をを持つ
②サラリーマンは、基礎年金に上乗せする形で厚生年金を持つ
③「60歳支給開始」を「65歳支給開始」にシフトしていく
④サラリーマンの妻のため「第3号被保険者」を創設する
…という改正が行われました。
この③については、「今日からバッサリと」というわけにはいきませんから、移行期間を設けて、段々と65歳支給開始に向けてシフトさせていくわけですが、30年以上過ぎた今現在も移行期間の最中だということです。
そして、この移行のために設けられたのが「特別支給の老齢厚生年金」です。
性別・生年月日に応じて、「あなたは63歳から特別支給が始まって、65歳になると本来の年金になります」というようにです。
図にすると…、
…こうなります。
これで4つの箱ができましたね。まずこの4つの箱が、自分には「何歳から・どの箱が・いくら」もらえるのか…、ここを正しく理解する必要があります。
例えば私の場合は「64歳から2階部分がスタートし、65歳になると1階部分が加わる」ということになり、2段階で年金額がかわっていきます。
性別・生年月日によって異なる開始年齢を一覧にしたのが上の図です。
水色・黄色のマル印が60歳から64歳の間でスタートすることを表していますので、ご自身・ご夫婦の生年月日に応じて「あなたは何歳から、私は何歳から、合計すると…」というような図を書いてみられるとよいでしょう。
男性なら昭和36年4月2日以降、女性なら昭和41年4月2日以降に生まれた方には「特別支給」部分がありませんので、ここから本当の65歳開始となるわけですね。
※補足ですが、この「開始年齢」があって、次のステップとして「繰上げ・繰下げ」があります。「本来64歳開始なんだけど、60歳から繰上げで支給してもらう」というようにね。ここは誤解しないでください。
さあ「いつから」もらえるか、把握できましたか?
では次は「いくら」もらえるか、ここに入っていきます。