住民税①退職後にびっくりする「住民税」!
お話ししてきました「所得税」に続き、今日は「住民税」についてです。
「住民税」というと、他の所得税・法人税・相続税等に比べると、あまり意識されている方はいないかな?
確かに、額がそれほど大きくならず、ニュースになる機会も少ないですからごもっともかと思います。
ただ、“サラリーマンの退職後”にはいきなりビックリさせられる税でもありますので、ここでは「税計算の仕組み」と「納付」についてお話ししておきますね。
①「納付」
…サラリーマンにとって、所得税は毎月「給与」から差し引かれ、年末には「年末調整」によって幾分かの「還付」を受けるのが一般的です。
ところが「住民税」は【1月から12月の所得をもとに、翌年6月から徴収される】という形です。簡単に言うと“1年遅れ”という感じですね。
新社会人としての初年度は、税そのものにそれほどの関心がないですから、住民税が引かれてなくても“ありがたみ”も感じることなく過ぎていくでしょう。
そのかわり、引退後の1年間、ここはドカーンと来ると思っておいてください。
最終年度の所得で計算された住民税が「年4回(6月・8月・10月・1月)」に分けた通知書が送られてきます。
このときは、同時に健康保険も問題です。
元の健康保険に「継続加入」するのか、「国保」にするのか、これは退職前の所得の額によってどちらがお得か違ってきますので、健保組合・市役所で計算してもらってください。
さらに年金です。それまでは給与から引かれていた厚生年金保険料、既に引かれてますから文句のつけようもありませんが、いざ国民年金の保険料を目の当たりにすると決して少額ではありませんよ。
「引退後は雇用保険でこれくらいはもらえるし…」と思っているあなた、健康保険料・国民年金保険料そして住民税という3つで“半分は消える”くらいには思っておいてください。
話しは横道にそれちゃいましたがお許しくださいね。
②「税計算の仕組み」
…住民税の計算は、所得割と均等割の合計額で計算されます。
【所得割】=収入-所得控除)×税率-税額控除
【均等割】=5,000円(住居地によって違いあり)
まず「所得割」ですが、この計算方法って所得税の計算と同じですよね。
違うのは、所得税率は所得の大きさによって異なる(累進課税)のに対し、住民税は所得の額が違っても税率は同じという点です。
そして、所得税にはなかった「均等割」というのがあるわけですね。
簡単に図にすると、
こんな感じです。
そして、“いくら以上の所得があると課税されるか”という切れ目があり、その所得に満たない人は住民税非課税となり、さらに世帯に住民税課税者がいない世帯を「住民税非課税世帯」と呼びます。
非課税となるのは…、
・生活保護による生活扶助を受けている人
・障害者、未成年者、寡婦(寡夫)で、前年の所得が125万円以下の人
・(扶養家族なしの場合)前年の所得が「35万円」以下の人
・(扶養家族ありの場合)前年の所得が「35万円×(本人+扶養家族数)+21万円」以下の人
…のどれかに当てはまる人です。
またまた横道ですが、新型コロナウイルスの経済対策として「世帯に30万円」というニュースが報じられましたが、この条件として考えられているのが「住民税非課税世帯」「世帯所得が50%以下に減少」などのようです。