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法人税③「特別償却」と「特別控除」、紛らわしいよね!

以前、個人の所得税テーマの中で、【(収入-所得控除)×所得税率-税額控除】というお話しをしました。「所得控除」と「税額控除」を混同しないでねという話でしたが覚えてますか?

これと同様なことが法人にもあります。

法人にとっても、【(売上-損金)×法人税率-税額控除】という手順で、損金計上して課税利益を下げるという部分と、計算された法人税から引き算される税額控除の二段構えとなるわけです。

そこで、今日は法人にとっての「税額控除」をお話ししたいのですが、ここでまた頭がゴチャゴチャになりそうなのが「特別控除(特別税額控除)」「特別償却」です。

出来る限り分かりやすく書きますから、めんどくさい~って思わないで、落ち着いてよ~く読んでくださいね。

 

まず、「特別償却」です。

減価償却」は皆さんご存知ですよね。機械とか車とか、高額な資産を購入したときに、その年に全額を損金にするのではなく何年かに分けて、段々と落としていくという仕組みですね。

この「減価償却」において「この買い物は、特別に“最初に大きく”償却していいよ」としてくれるのが「特別償却」です。

そもそも高額な買い物ですから、初年度に大きく落とせるというのは魅力的ですね。

ただ、ここには注意も必要です。

複数年にわたる償却を前倒しでするということは、後ろのほうの年に落とせるものがなくなるということですね。結局落とせる総額が変わるわけではないのですから、トータルで考えたら“同じ”ということです。

「来年以降のことはまた考えるとして、何よりも今年が大事!」というケースには価値あるでしょうが、それで“得する”ものではないという点はご理解ください。

 

そして、その逆に「上乗せで税金安くしてあげる」というのが「特別控除」です。

これは“前倒し”ではなく、「特別にこの部分は税額から引いてあげる」というものですから、これはプラス効果ですね。

 

「特別償却」も「特別控除」も、特別という言葉がつくように、“国としてここを推進したい”という意図をもって、期間限定で行われるものですから、毎年の税制改正の際には「これは特別償却、これは特別控除」というようにきちんと区別して理解することが大切です。

…なのですが、更に紛らわしくしてくれるのが「特別償却と特別控除の選択適用です。

文字通り、“どっち使ってもいいよ”ということですから、今期の効果・来期以降の影響をよく考えて、上手に活用することが肝心です。

 

では、次回は今年(2020年)の税制改正を踏まえて、特別償却・控除控除となるものから抜粋してご紹介しますね。

すでに税理士の先生から聞かれている社長さんも多いでしょうが、皆さんからも“お役立ちニュース”という位置づけで情報提供していくという活動が、信頼度アップにつながるというものですよ

ただ、条件等は細かなものがありますから、幹となる部分をしっかりとお話しして、細かな枝葉の部分は“税理士さんに聞いてください”という姿勢も忘れないでね。