【事業承継①】社長さんの高齢化進む!
本日、帝国データバンクから興味深いニュースが発表されました。
状況・方向性とも、想像はついていたとはいっても、実際に数値としてつきつけられると、やはり一段と重たく感じさせられますね。
報じられたのは、「社長の平均年齢が初めて60歳代に突入した」というものです。
まずは図でご覧いただくと…
…ということです。
これは全企業の平均値であり、規模的に差を見ていくと、上場されている大企業では58.7歳ということですから、法人の大半を占める中小企業では60歳を更に上回っているということですよね。
また、この数年の推移を見ると、1990年では54.0歳でした。ほんの30年、毎年上がり続けて、ついに60.1歳になったわけです。“平均年齢”ですから、本来はこんなに大きく動く数値ではないはずです。
地域によっての格差はどうでしょう。
★最も高いのは秋田県で62.2歳。逆に最も低いのは三重県で58.8歳。その差約4歳!
★都会が比較的低く、地方ほど高い!
★概ね“東高西低”、東日本のほうが高い!
★30年前と比較して高くなっているのは秋田・青森・山梨・沖縄・千葉県など。7歳以上高くなっているのが16県!
…こんなところが読み取れます。
では、そんな企業の事業承継進行度はどうでしょう。
この10年では大きな差はないようですが、1990年頃には100社中5社、2000年から2010年頃には100社中4社強、そして2010年以降は100社中4社弱というように、徐々に低下していることが読み取れます。
『事業承継がうまく進まない⇒現社長が居続けるしかない⇒社長の平均年齢が高まる』という構図ですよね。
先日、私も広島県内の企業さんに呼ばれて、事業承継についてのアドバイスに伺ってきました。
従業員20人ほどの金属加工業、創業社長は67歳、幸い息子さんが後継者として育っているので後継者問題はないものの、自社株のバトンタッチ、事業に接することのない娘への相続、現社長の以後の生活など、心配事は多岐にわたりました。
日本中にこんな企業はたくさんあるはずです。
「そろそろ考えなきゃな~、でも何から考えればいいんだろう?」
「心配事はいろいろあるけど、全部税理士に聞くのもおかしいし、誰に聞けばいいのかな…」
「自社株贈与すると、すごい贈与税になるらしい…、そんなの払えないし…」
「まあ、今のところは先送りにしておくか…」
…これが社長さん達の頭の中だと思います。
でも、こうして先送りにしておくだけでは、確実に社長さんは歳を重ねていきますし、歳とともに健康上の課題は重くなっていきます。
何の手立てもせず、ある日突然倒れてしまい…、これでは残された家族・従業員・取引先・顧客は困ってしまいます。
そんな悲劇にならないよう、「何を」「いつ頃」「どのように」手を打っていくか…、幅広いアドバイスができていけばいいですね。
日本経済を支えているのは中小企業です。
各地の中小企業が、元気で・適切なバトンタッチができていくように、「事業承継」をテーマにしてお話ししていきたいと思います。