【事業承継②】なぜ事業承継で壁にぶつかるのか…?
株が上がり続けますね~!
日経平均が3万円を突破し、今日は500円くらい下がるだろうな~って思ってましたが、なんとも今日も上がって終わりましたね。
・コロナ新規感染者数が落ち着いてきていること
・アメリカ大統領のバトンタッチが無事に進んでいること
・世界中でワクチン接種が進んでいること
…こんな要素を考えると、ここしばらくは更に上向く要素しか考えられず、これが逆に怖いくらいですよね。
さてさて、どう進んでいくのか…、
でもね、投資運用を考えられる方は「長期・分散・平準」という三原則を忘れないでくださいね。
こんなときこそ、「ちょっと待てよ、三原則から外れていないか…」と自身に問いかけて、冷静に判断していってくださいね。
話を本題に戻しますね。
前回は「60歳を超えた社長さんの平均年齢」というお話しをしました。
高齢化が進む日本ですから、社長さんの年齢が高くなっていくのはあたりまえのことかもしれませんが、同時に考えていかなければならないのは「不老不死の社長はいない」ということです。
1年進めば、社長は1歳歳を重ねています。それが60歳~70歳~80歳と進んでいくと、申し訳ありませんが心身ともに弱くなっていってしまいます。
これが1社だけのことではなく、日本経済を支えている中小企業全体で起きていることですから、このままでは会社・従業員・取引先・顧客・それぞれの家族にまで影響してくる重い問題です。
本来ならば、計画的に事業承継が進み、社長が替わろうとも、その会社は揺らぐことなく、更に新たな発想で成長していく…、こんな姿になりたいですよね。
では、なぜ事業承継がうまく進まないのか、いくつになっても“社長であり続けなければならない”のか…、この「障壁」を整理してみましょう。
私が思うに、理由は大きく二つ、「後継者」の壁と「お金」の壁です。
日本政策金融公庫が行ったアンケートによると、「社長さんの約半分は自分の代限りでの廃業を考えている」という答えが50%もありました。
その理由は大きく3つ、
①当初からそう考えて起業した
②事業の成長が見通せない
③適当な後継者が見つからない
…この3点がそれぞれ三分の一づつを占めています。
①はしょうがないとしても、②は経営のやりようで解決できる可能性がありますね、さらに③は何とかしたいですね!
今、経営に問題なく、従業員は元気に働いている。顧客も安定して喜んでもらっている。社長もやりがいを感じて、この会社を愛している。…なのに後継者がいないから廃業せざるを得ないというのでは、もったいないですよ!
後継者となりうるのは次の三者です。
①息子・娘・親戚等からの「親族内」
②従業員・取引先等からの「親族外」
③会社売却・合併等による「Ⅿ&A」
…①のメリットは、
・各方面からの納得が得られやすく、スムーズに進む
・社長の思い、経営理念などを伝えやすい
…などが考えられ、まずは家族・親族の中から候補者を選び、教育することが最善です。
でも、家族・親族に該当者がいないとなると、②の道、“他人さん”の中から考えなければなりません。一生懸命働いている従業員さんの中には、「会社を自分の手で発展させたい」と思っている人もいるのではないですか?
上手くその人に繋いでいくことができれば、会社も顧客も守っていくことになりますね。
ただし、その場合には、会社を“あげる”のか・“売る”のか、ここを考えなければなりません。“あげる”となると、現社長にとっては何も自分の手には残らないことになってしまいます。なので、“売る”という姿になるわけですが、今度は後継者は「買うための資金」が必要です。
経営が順調である会社ほど、その“値段”は高くなるものであり、一般従業員では「到底そんな資金はありません」となってしまいますね。
…これは「後継者問題は解決できても、お金の問題が解決できない…」ということですから、これは次回に回しますね。
そして、家族・親族・従業員・取引先、どこにも後継者となりうる人がいないという場合、多くはそれで廃業となっているわけですが、ぜひそこに③の「Ⅿ&A」という道も考えてみてください。
以前、仕事上でお付き合いのあった税理士さんなのですが、この人、家業であるお醤油屋さんを一旦引き継いだのですが、どうしても税理士の道に進みたくて、会社をM&Aで売却しました。
その時点で会社を廃業手続きしていたら、ほぼプラマイゼロの状態で終わっていたわけですが、長い歴史があるからこその財産(固定資産・ノウハウ・ブランド・顧客網)がありましたので数千万円で売ることができたんです。
もしこのとき、単に廃業としていたら、昔からのお客さんは悲しみ、技術を持った従業員さん達もまた新たな勤め先を探さなきゃいけなかったですね。
更に、新たにその地域で・その事業を始めようと思う人は、歴史もブランドもない中でゼロからスタートしなければなりません。
Ⅿ&Aによって全ての人が助かり、現経営者には数千万円のお金が残ったわけです。
Ⅿ&Aというと、なんとなく「乗っ取り・買収」というネガティブなイメージがあるかもしれませんが、うまく「縁結び」ができれば、これは皆が幸せになれる手段でもあるんです。
長くなりましたが、まずは①の家族・親族の中から考えること、次に②、そして③というように考えていけばいいと思います。
お金の問題、信頼できるⅯ&A業者探しなど…、課題はまだまだありますが、まずはどの道に進んでいくかを、現社長としてはしっかりと考えていくことが肝心です。
「事業承継には10年かかる…」なんて言う人もいます。
ベストな事業承継を、考え・準備し・教育していくためには、確かに10年は必要かもしれません。
だからこそ、社長が元気で、バリバリと働いているうちに、10年後・20年後を考えて、それをきちんと言葉にしていくべきだと思います。