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保険営業に役立つ小ネタ集

運用⑤「NISA」って何?

皆さんは、以前「マル優」という制度があったのを覚えていますか?

厳密には今も障害のある方には残っている制度ですが、昭和の終わりまでは“誰でも・少額の金融資産に対してはその利息部分には非課税”という制度でした。

100の元手に対して10%の運用ができたら利息は10、でも利息の20%が税金となると、10-2=8の手取り利息となってしまい、結果的には8%の効果だったということになりますから、税金がかかるのか・かからないのかは大きな違いです。

このマル優を復活させてくれたと言えるような制度が「NISA(少額投資非課税制度)」です。(NISAという言葉は単語の頭を並べたものですが、何の略かは覚える必要もないでしょうから割愛します)

 

この「NISA」、簡単に言うと「株式・投資信託に専用の口座を作ると、そこについてきた利益には全く税金がかからない」というものです。

増えた額がどれだけ大きくても非課税ということですから、これはなかなかありがたい制度だと言えますね。

今、このNISAには3通りの制度があります。f:id:takamisan:20200315113845p:plain

最初の「NISA」(…他との区別が言いにくいので「一般NISA」と呼びますね。)ができたのが2014年、次に「ジュニアNISA」が2016年、最近では「積立NISA」が2018年に追加されて、昨年(2019年)末では約1400万口座・総額18~19兆円という大きなものになってます。

“利益に税金がかからない”というメリットの反面、注意しなければならない縛りもあります。

「1人1口座」なので、違う方法に行こうと思ったら、金融機関を変える必要もある。

・でも、金融機関の変更は1年単位なので、少なくとも1年間は変えられない。

・非課税限度は年単位なので、余らせても翌年以降との累積にはできない。

・「ジュニアNISA」は管理・払い出しに制限がある。

・「一般NISA」と「積立NISA」はどちらか一方しかできない。

・あくまでも利益に対する非課税なので、元本部分への所得控除はない

…というところでしょうか。

 

でも、例えば「積立NISA」の場合は「年間40万円×20年=800万円」までの元本に対して、どれだけ増えても利益部分には非課税ですから、私が提唱する「老後資金1千万円作りましょう!」にはありがたい制度です。

この「積立NISA」の運用方法も、約180通りの商品(ファンドがありますから、「長期・分散・平準」という原則に則った選択が可能です。

各金融機関(証券会社・信託銀行など)がそれぞれのホームページなどで解説していますから詳細はご覧ください。

 

そしてお伝えしておきたいのが、今年(2020年)の税制改正制度改正が決まっているということです。

改正ポイントは…、

「ジュニアNISA」2023年末で終了する。

「積立NISA」2042年まで延長する。

「一般NISA」は2024年から「2階建て」式になり、「限られた低リスク商品の1階部分(限度20万円)」と「株式等にも使える2階部分(限度102万円)」の組合せで、「合計122万円」という限度になります。

 

2階建てとなった「新NISA」と「積立NISA」はやはり選択式ですし、そもそも「ジュニアNISA」は口座の3%ほどしか利用されていませんから、大きな影響はないと思いますが、「1階部分がないと2階部分はダメ」というルールにもなりますので、ここは個人投資初心者にとっても、いくらか安心して使いやすくなるのではないでしょうか。

 

では、明日は「i-DeCo(イデコ)」についてお話ししますね。