FPの小ネタ

保険営業に役立つ小ネタ集

法人税⑥「財務諸表」を理解する

新型コロナウイルス関連の「臨時号」を続けましたので、本来の「法人税」テーマが随分と久しぶりになってしまいました。

法人にとっての“課税”とは何なのか、“損金計上”“資産計上”とは何なのか、保険営業マンとしてどうあるべきなのか…、こんな観点からお話ししてきましたが、思い出していただけましたでしょうか?

 

ここから、そんな法人の“姿”を現すものとしての「財務諸表」について、その意味と見方をお話ししていこうと思います。

皆さん自身が法人経営者(もしくはその家族)になった経験がおありなら既によくご存じのことと思いますが、勤め人家庭に育ち、自分もサラリーマン経験しかない…という方にとっては全く縁のない物であり、生活の中には登場してこない物です。

でも、法人市場で営業活動をし、法人契約の提案をするのであれば、

・提案した内容がどう反映されていくのか…

・それによってどんな効果が生まれるのか…

・そもそも提案していって良い相手なのか…

こんなことを判断していく上で、財務諸表を知っていることは大切な知識です。

皆さんがお話しする相手は、日々自身の判断で大きなお金を動かしている社長さん達であり、その社長さん達は、自身の判断が会社・顧客・従業員にどう影響していくのかを毎日考えている人達です。

ならば、その社長さん達は、自分の会社の財務諸表を隅々まで理解していらっしゃるか…、実際はそうでもない方が多いですね。

過程・詳細は税理士さんにお任せで、自分は最終的にどれだけ儲かって、どれだけ税金かかって、どれだけお金が残っているのか、そして明日の経営ができるのかできないのか…、こんなところだけ見ているものです。

皆さんが社長さん達に「この保険料・保険金はこう処理していきます…」「なのでこんな効果があります…」とご説明した時「当然理解されているものと思ったのに、そうでもない?」と感じたことはありませんか?

だからといって甘く見たらダメですよ!

社長さん達には、枝葉の一つ一つよりも、大きな幹がどう伸びていくかが関心あることですからそうなるんです。

皆さんは、そんな社長さん達の頭の中を想像して、「あなたのためになる」「あなたの会社のためになる」という視線を忘れないでお話ししていってくださいね。

 

前置きが長くなりました。では「財務諸表」にはどんな物があるか…、ここからお話ししていきますね。

中小企業であっても、毎年の決算書には相当なページがあり、どれも細かく複雑に数値が並び、いったいどれが何を表しているのか…、理解するのは簡単ではありません。その中で押さえておいていただきたいのが、次の3つ…

貸借対照表

損益計算書

キャッシュフロー計算書

…です。

①②はどの会社の決算書にも必ずあるものですが、③は中小企業には義務付けられているものではありません。

私もこれまで多くの企業の決算書を拝見させていただきましたが、いくつかの企業(中小企業)では③も添えられていました。熱心な税理士さん・熱心な社長さんだということではないでしょうか。

それぞれの内容・読み取り方は、次回からお話ししていきますが、最初に皆さんにイメージしておいていただきたいのが「金太郎飴」です。

金太郎飴って、長く棒状になっていて、どこを切っても金太郎の顔がでてきますね。

でも、手作りの飴だと棒状の“太さ”は均一ではないでしょうし、切り口の“顔”もいつも同じではないでしょうね。

これを財務諸表で現すと「切り口の顔が貸借対照表」「棒の太さの変化が損益計算書なんです。図にするとこんな感じ…、

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毎年決算を行って、この“太さ”が段々と太くなっていき、切り口の“顔”も綺麗になっていく…、これが社長さん達が目指している姿です。

 

抽象的ではありますが、この金太郎飴のイメージはしっかりと頭の中に描いて、次回からの詳細を見ていっていただくと、総合的な理解が早まると思います。

では、次回は「貸借対照表」についてです。