<相続②>日本の相続税は世界一厳しい!?
「相続」テーマの第2回、最初に少しだけ雑談のネタになるかなって思える話をしておきましょうね。
皆さん、そもそも歴史的にみて、日本の相続税制度って、いつから始まったかご存知ですか?
最初は明治38年、日露戦争の戦費を補うために始まったそうです。
最初は不動産の相続に対しては課税されなかった(名義書換の税のみ)のですが、税率とともに段々と厳しくなり、昭和の時代には「最高税率75%」まで高くなりました。
皆さんよくご存じの松下幸之助さんが亡くなられたときには、遺産総額2,449億円に対し、相続税額はなんと1,444億円!、「三代相続したら財産はなくなる」と言われていたのも納得できる気がしますね。
さすがに財産額以上の税額にはなりませんから「ゼロ」になることはありませんが、現在の最高税率は55%ですから、「5~6回の相続でほとんどがなくなってしまう」と言っても過言ではないと思います。
(下図は、財産10億円と1億円のケースで、納税後の財産額をグラフにしたものです。この計算には基礎控除や非課税財産を考慮していませんので、あくまでもイメージとしてご覧ください。)
縦軸=財産額(円) 横軸=相続回数(回)
この、日本の相続税、世界各国と比べるとどうなのか…、こんなことを調べてみると、なんと「世界一厳しい!」という姿が見えてきました。
欧米各国と比較表にしてみると…、
…こんな感じです。
★「相続税なし」という国もこんなにある!
★フランスは配偶者間ではどれだけ大きな相続でも課税なし!
と考えると、おとなしく納税する日本人って、なんて人が良いのだろうって思ってしまいますね。
(※するとどうなるか…、「相続税高い」国のお金持ちは「相続税なし」の国に移住したくなりますね。国として政治的にそう判断して「なし」にしているところもあるようですよ。)
こんな話から始めると、“いかに税金を少なくするか…”という方向に進んでしまいそうですが、決してそうではありません。
皆さんの活動でも「税対策」ばかりに目がいってしまうのではなく、「分割対策」との両面で考えていくという姿勢を忘れないでいただきたいのです。
それでこそ、本当のアドバイザーとして、お客様そしてそのご家族にきちんと向き合っていくことができますからね。
では、次回から「相続の全体感・注意点」等から見ていきましょう。